身体表現性障害とは
身体的な異常がないのに、頭痛や身体の痛み、吐き気、のどの異物感、しびれなどの症状が長期に渡って続く疾患です。脱力や麻痺、けいれん発作、皮膚感覚、視覚や聴覚の症状を起こす場合もあり、現れる症状は多岐に渡ります。
つらい症状があり、日常生活に支障が及びますので、内科的疾患ではないことを受け入れるのが難しく、ドクターショッピング(複数の病院を次々に受診すること)を続けているケースも珍しくありません。原因のわからない症状でお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
身体表現性障害の原因
はっきりとした原因はわかっていませんが、心理的なストレスが身体症状として現れていると考えられており、思考パターンや認知の関与も指摘されています。心身の疲れや環境の変化などの心理的ストレス、完璧主義や几帳面な性格なども発症に関与するとされています。
身体表現性障害の症状
症状や状態により、いくつかのタイプに分けられています。
身体表現性障害
様々な痛み、吐き気や膨満感といった胃腸症状などが慢性的に続きますが、検査を受けても原因がわからず、有効な治療を受けられない状態が続きます。以前、疼痛性障害と呼ばれていたものは痛みの症状を起こすケースです。
病気不安症
「病気になるのでは」「重い病気にかかっている」という不安が強くある状態で、心気症と呼ばれることもあります。基本的に身体疾患はありませんが、あった場合も軽度です。
転換性障害
脱力や麻痺など、主に筋肉など運動機能が関与する症状を起こすタイプで、のどの異物感を感じるケースもよくあります。他にも皮膚感覚、視覚や聴覚などに症状を訴えることがあり、見えない・聞こえない・声が出ないなどの症状を生じる場合もあります。
身体表現性障害の診断
症状が起こる身体的な疾患がないことを確認後に診断します。身体表現性障害ではない疾患が原因で症状を起こしている場合は、原因疾患の治療が不可欠です。
まずは現れている症状を専門にみている診療科を受診し、症状を起こしている原因疾患がないことを確認して頂く必要があります。こうした診察・検査を受けた上で原因となる疾患がない場合に、心療内科や精神科へ受診していただきます。
身体表現性障害は、身体疾患がなく症状が継続して現れる病気です。実際に長く症状に悩まされているのに、検査で異常が発見できず、つらい思いをされている場合にはお気軽にご相談ください。
身体表現性障害の治療
症状や状態に合わせた薬物療法、心理療法やカウンセリングを組み合わせ、患者様のお悩みに対応しています。症状の原因となる疾患がないことから、抗うつ薬や抗不安薬の治療が改善に結び付く場合もあります。痛みが強く出ている場合は、痛みへの効果も期待できる抗うつ薬による治療が有効です。
その上でカウンセリングなどを通じ、状況や症状悪化・改善のきっかけなどを見つめ直し、症状軽減につながる行動を促します。また、症状につながるストレスについて、医師やカウンセラーが一緒に考え、有効な対処法を探します。こうした治療を続けることで心理的な負担が軽くなり、症状改善が期待できます。なお、ご家族など身近な方にも理解して頂き、協力してもらうことが有効な場合もあります。
身体表現性障害とリラクゼーション
タクティール®ケアは心地よさや安心感をもたらし、受け手は穏やかな気持ちを体感できます。また、身体が温まる、心地よい睡眠や深い呼吸ができるようになるなど自分自身の身体の認識や自己意識の向上、身体的・精神的な症状を和らげることがあります。